夏休みが終わり、読み聞かせ活動が始動した。
が、体調不良で欠席の児童が多いらしく中止になってしまった。夏の疲れもあり、夏休みの疲れもあり、という感じだろう。ただの風邪であっても、子供らが集まるとどうしてもうつりやすくなる。
相変わらず高野さんの本は面白い。行動力もすごい。
イラクはイラクでも、辺境の民の「文化」を探検するリポート。道連れは「環境保全のヤマダ」として知られ、農大探検部出身の探検家でもある山田高司氏だ。
本書のところどころに挟まる山田氏の緻密な観察記録のおかげで、文章だけではわかりづらいところも手にとるように理解できる。イラストレーションというのは、単なる写真や動画以上の効果を発揮するのだ。
友だちの友だちは皆友だちを地でいくように、知り合いのツテをたどりまくって取材を重ねるのはいつもの高野さんらしい。一方この辺りでは、外国人は“保護者”なしでの移動が難しいので、その制約の多さにもどかしさを覚える様子も描かれている。もどかしいといえば女性への取材もそうだ。この辺りの女性は、基本家族以外の男性と顔を合わすことは推奨されないので、女性への取材はちょっぴり消化不良気味。
ツテをたどった取材は、日本国内での情報収集においても遺憾なく発揮される。マーシュアラブ布の分析に、山口晃を駆り出していたのには驚いた。
分厚さにひるむ人もいるかもしれないが、意外と一気に読める。カタカナ多めなので、固有名詞を覚えてられない人はちょっと大変かもしれない。が、水滸伝に倣ったキャラ設定のおかげで主要人物の把握はそれほど難しくはない。
ウル&ウルクの遺跡を訪ねる様子は、世界史を勉強した人なら感動を覚えることだろう。古代史の重要地名を訪れる機会なんてそうそうない。私もハラッパに行ったときは遺跡のことは何もわからんのに行ったことだけに感動したもんだ。
自分用のメモ。「葦文化」「ブリコラージュ」